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産地見学 その3 [たたみ]

産地見学の最終章です

和室に付き物は?
今ではこたつとなるでしょうが、書院造の基本としては床の間です。

今では物置き場の1つとなっている家庭が多いですが、もともとは客間の座敷飾りの1つで掛け軸や生け花を飾るスペースなのです。
身分を表す上座、下座という言葉がありますが、床の間がある方が上座になります。
江戸時代には庶民には贅沢だということで床の間を作ることが規制されていたそうです。
今ではスペースがもったいないということで作られていませんが・・・・(泣)

その床の間も板のタイプと畳のタイプがあります。
その畳のタイプに使われるのが龍鬢(りゅうびん)表と言われている初めから黄土色っぽい色をしている表です。
どのようにして変色させているのか知りませんでしたが、産地を訪れてみてびっくり!!
IMG_0270.JPG
太陽に当てて日焼けさせて緑色から黄土色に変色させていました。
あまりに原始的な方法に驚きましたが、話を聞くと実に奥が深い。

まずきれいに変色する草はほとんどない為、い草は最高級のものを集めてその中から厳選して1本づつ選ぶのだそうです。
そして天日干しのため、自然との闘い。
雨にでも降られてしまったらもうだめだそうです。

こうして生き残ったい草だけを使い、一般的な表よりも広い目幅で織り、龍鬢表となるそうです。
現在、市場の70%はこの工場で作られているそうで、全国から注文が来るそうです。
現地の問屋さんが「不況でもここは大丈夫だ!」と言っていました。
技術に裏付けされた信用。
最後に残るのはこれかもしれません。

ちなみに何で最初から変色した表を使うの?
と思われるかもしれませんが、一説によるとお茶の世界の「わびさび」から来ているとか・・・
千利休のわびさびの世界はまだまだわかりませんが、この龍鬢表には緑の表にはない品格を感じます。
畳表の良さは青さではなく2~3年経って変色した時の色に本当の良し悪しが出ると言われております。
人間も30歳を越えてから本当の良さが出てくるのでしょうか?
もう表替えかも?という声が聞こえてきそうですが・・・・
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