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産地見学 その1 [たたみ]

先日、畳表の産地見学に行ってきました。

畳表の産地は熊本が国内の80%を占め、その他福岡、広島、岡山、高知、石川などがあります。
(今では中国表が全体のシェアの半分を占めているというのだから恐ろしい・・・)

その中でも広島産の草は「地草」と言われ、昔から大変質の良い高級品として取り扱われてきました。
縁つき用の表を「びんご表」ということを知ってらっしゃるお客さんがいますが、その「びんご」は備後地方の「びんご」から来ているのです!!
ちなみにスペイン語で「当たり!!」もビンゴと言いますが・・・・。

今では広島でい草栽培をしておられる方はとっても少なく、地草で織った表はとんでもない価格になっています。
広島は表の織りがうまいことでも知られ、今のびんご表は熊本産のい草を広島で織った物をびんご表と呼ぶことがほとんどです。

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これが広島のい草、「地草」です
目に優しい緑です(笑)

不思議なことに田んぼに生えている時のい草には日本人が大好きなあの癒しの香りがなく、泥染めをして、乾燥させるとあの香りが出てくるそうです。
私も14年畳職人をしていますが、その事実を今回はじめて知りました。(恥)

このい草を泥に浸けて(泥染め)、乾燥させて、織ると畳表になります。
この泥も広島産の泥を備後染土といい、高級品とされています。
この備後染土を使った表はきれいに変色していくことが特徴なのです。

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今回、当店主用の表を作っている井上さんに会うことができました。
広島でもとても腕の良い職人として有名で、良い職人が持つ雰囲気・オーラみたいなものを持っていて、「この人なら大丈夫だ」と納得してしまいました。
こういう何とも言葉にはできないけど、感じる何かを持った人間になりたいものです。
井上さんに会えた事で、より使っている表に親しみ、愛着がわきました。
「よし!!俺もいい物を作るぞっ!!」って気合が入りました。

案内をしてくれた現地問屋さんが「良い物を作れる工場はみんなゴミが散らかっていなくてきれいで、逆にクレームの多い工場はきたない」と言っていました。
野球でも「草の生え放題のブルペンでは良い投手は育たない」と言われています。
これはどこの世界も同じなんでしょうね
勉強になりました!!





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